本記事にはプロモーションを含む場合があります。価格・仕様は 2026年8月20日時点 に各社の公式ページ・公式ヘルプ・公式APIドキュメントで確認した内容です。この分野は改定が頻繁なため、契約前に必ず公式の最新表示をご確認ください。

「同じキャラクターを、別のカットでも同じ見た目のまま出したい」——動画生成AIで一番よく詰まるのがここです。検索するとプロンプトのコツを説く記事は大量に出てきますが、そもそもどのサービスに「参照(Reference)」の公式機能があって、何枚まで参照でき、どのプランで使えるのかを並べた表はほとんど見当たりません。この記事はその一覧をつくることだけを目的にしています。

なお本記事は公式スペックの横並び整理であり、生成品質の実測レビューではありません。「どこまで似るか」「破綻がどれくらい減るか」は扱いません。

※ 実測後に更新します(2026-08-20 時点で未検証):各社の参照機能を実際に動かした際の再現度、カット間のブレ、クレジットの実消費量は、当サイトで実機検証したうえで本記事に追記します。現時点の記載はいずれも公式ページの表記であり、実測値ではありません。

先に結論——公式に参照機能があるのは主に5サービス

2026年8月20日に各社の公式ページ・公式ドキュメントを実査した結果は次のとおりです。機能名は各社でバラバラで、参照できる枚数も1枚から7枚まで大きく割れます

サービス公式の機能名参照に使える素材枚数(公式表記)対応モデル・条件
KLINGElements/Element Library画像(人物・動物・物・シーン)、3.0 Omni は動画からも作成可Elements は1〜4枚/Element Library は動画生成で参照キャラクター最大7Elements は KLING 1.6 の Image to Video、ライブラリは VIDEO 3.0/3.0 Omni/O1
Google Veoreference images人物・キャラクター・商品の素材画像最大3枚Veo 3.1/Veo 3.1 Fast のみ。使用時は尺8秒固定
MiniMax(Hailuo)Subject Reference(S2V)画像(対象は人物の顔のみ)1枚S2V-01
Viduリファレンスから動画(Reference to Video)キャラクター・オブジェクト・背景の画像公式日本語ページの表記は「3枚以上」公式日本語ページに記載あり(後述の注意点あり)
PixVerseFusion(Reference to video)公式料金表に項目として掲載公式ドキュメントに枚数の記載を確認できずV4.5/V5。消費クレジットは通常生成と別建て
Runway(動画モデルには記載なし)公式APIモデル一覧では動画モデルの入力は Text/Image/Video のみ

各セルの出典と確認日は、以下の各社別セクションに1つずつ書いています。空欄は「公式に記載がない」という意味で、推測では埋めていません。

用語の交通整理——画像生成の「キャラクター参照」とは別物です

先に混同を1つ潰します。「キャラクター固定」で検索すると、Midjourney の --cref、Stable Diffusion の LoRA など画像生成の解説が大量に混ざって出てきます。これらは静止画を同じ顔で量産するための仕組みで、そのまま動画生成AIに適用できるものではありません。

本記事が扱うのは動画生成AI側が入力として受け付ける参照機能だけです。両者の違いは次の3点に集約されます。

  • 入力の受け皿が違う:画像生成の参照は画像モデルのパラメータで、動画モデルのAPIに同じ引数はありません。
  • 固定できる対象の粒度が違う:動画側は「人物の顔だけ」に限るサービス(MiniMax の S2V)から、「人物・衣装・背景・小物をまとめて」扱えるサービス(KLING の Elements)まで幅があります。
  • 尺やプランの制約が付く:Veo は参照画像を使うと尺が8秒固定になります(後述)。画像生成にはこの種の制約がありません。

用語そのものの整理は動画生成AI用語辞典にまとめてあります。

Runway がこの線引きの実例です。Runway の Gen-4 Image References は画像生成側の機能です。公式APIのモデル一覧(Runway 公式ドキュメント、2026年8月20日確認)で動画モデルの入力欄を1行ずつ見ると、gen4.5 は「Text or Image」、gen4_turbo は「Image」、aleph2 は「Video + Text/Image」で、画像モデルの行にある「References」の表記が動画モデルの行にはありません。2026年8月20日時点の公式ドキュメント上、Runway の動画モデルに参照画像を渡す入力は記載されていない、ということです。

各社の公式スペックを1社ずつ確認する

KLING——1〜4枚の Elements と、最大7キャラの Element Library

KLING の公式クイックスタート(Kling AI Video Character Consistency、2026年8月20日確認)には、Elements 機能について「Upload 1-4 images, select the subjects (people, animals, objects, or scenes) in the images as elements, and describe their actions and interactions.」と書かれています。同ページは Elements が KLING AI 1.6 モデルの Image to Video で利用可能であることも明記しています。

さらに 2026年2月5日付の公式ガイド(Kling Element Library User Guide、2026年8月20日確認)は、要素をライブラリ化する仕組みを次のように説明しています。

  • 「The Kling 3.0 model supports binding up to 3 elements in start frame/start and end frames generation.」——開始フレーム系の生成にひも付けられる要素は最大3つ
  • 「Video generation supports up to 7 reference characters, while image generation supports up to 10.」——動画生成で参照できるキャラクターは最大7、画像生成は最大10。
  • 「Kling VIDEO 3.0, VIDEO 3.0 Omni, Kling O1 Video and Image models support generation using elements from the library」——ライブラリ由来の要素を使えるモデルが列挙されています。

つまり KLING は、機能の世代によって 1〜4枚・3要素・7キャラという3つの数字が併存しており、どれが当てはまるかは使うモデルと入口で変わります。料金体系はKling AI の料金と無料枠に整理しています。

Google Veo——参照画像は最大3枚、ただし尺は8秒固定

Gemini API の公式ドキュメント(Veo のドキュメント、2026年8月20日確認)には「Veo 3.1 now accepts up to 3 reference images to guide your generated video’s content.」と記載があります。用途の説明も明確で、「Provide up to three asset images of a single person, character, or product. Veo preserves the subject’s appearance in the output video.」とされています。

制約は2点です。対応モデルは Veo 3.1 と Veo 3.1 Fast のみで、Veo 3.1 Lite と旧版は対象外。そして参照画像を使う場合の尺は 8秒に固定されます(尺パラメータ欄に「Must be “8” when using extension, reference images or with 1080p and 4k resolutions」と記載があり、参照画像はこの条件の一つです)。参照画像を使った生成では動画の延長(extension)も使えません。

「3枚まで」という上限は、1人のキャラクターを別角度から補強する設計です。複数キャラを同時に固定する用途とは前提が違います。

MiniMax(Hailuo)——公式APIでは参照画像は1枚、対象は人物の顔のみ

MiniMax の公式APIドキュメント(Subject-Reference to Video Generation Task、2026年8月20日確認)の subject_reference パラメータ欄には、「Array containing the reference image (only one image supported).」と明記されています。対象の型についても「Subject type, currently only character (face of a person).」とあり、受け付けられるのは現時点で人物の顔1枚だけです。同ページのサンプルで使われているモデルIDは S2V-01 です。

衣装や背景も一緒に固定したい用途には足りません。逆に「主人公の顔だけブレなければいい」なら、入力が1枚で済むぶん最も手数の少ない選択肢です。

Vidu——公式日本語ページには「3枚以上」の記載

Vidu の公式日本語ページ(vidu.com/ja、2026年8月20日確認)のよくある質問には、「リファレンスから動画」について「キャラクターやオブジェクト、背景などの画像を3枚以上アップロードするだけで」という説明があります。上限ではなく下限として3枚を示している点が、他社と表記の性格が異なります。

ただし注意が1つ。当サイトが2026年7月15日時点で調査したVidu の参照動画生成では、Vidu が国際版から中国本土向けへ軸足を移した結果、日本から通常の手順で利用することに制約がある状況を報告しています。公式ページに機能の記載があることと、日本のアカウントでそのまま使えることは別問題です。導入前にご自身の環境で登録可否をお確かめください。

PixVerse——料金表に Fusion の項目はあるが、枚数は公式に記載なし

PixVerse の公式APIドキュメントの料金ページ(PixVerse Model Pricing、2026年8月20日確認)には「Fusion(Reference to video)」という区分が独立して掲載され、V4.5/V5 について解像度と尺ごとの消費クレジットが表になっています。5秒は Turbo(360p)と540p が45、720p が60、1080p が120クレジット。8秒はそれぞれ90/90/120クレジットです。

一方で参照に使える画像の枚数や対象の種類については、同ドキュメント上で記載を確認できませんでした。ここは推測で埋めず、空欄のままにしています。PixVerse の料金体系全体はPixVerse の料金プランを参照してください。

「何枚まで」で作れるものが変わる

枚数の上限は、単なるスペックの差ではなく作れる映像の種類の差になります。公式表記をもとに整理すると、大きく2つの型に分かれます。

1枚型(MiniMax の S2V-01):入力は人物の顔1枚。できるのは「この人の顔で、別のシーンを作る」です。衣装や背景はプロンプト側の担当になるため、カットごとに服が変わることは仕様上ふつうに起こります。

複数枚型(KLING の Elements、Veo の reference images、Vidu のリファレンス):複数の素材を組み合わせられ、さらに2つに割れます。

  • 同一被写体を複数角度から補強する型(Veo の「a single person, character, or product」を最大3枚)——固定対象は1つ、精度を上げるために枚数を使います。
  • 異なる被写体を同時に固定する型(KLING の「people, animals, objects, or scenes」を1〜4枚、ライブラリでは動画生成で最大7キャラ)——人物+衣装+背景といった組み合わせを扱えます。

「主人公1人が別のカットに出ればいい」なら前者で足ります。「主人公とサブキャラが同じ部屋で会話する」なら後者が必要です。この見極めを先にやっておくと、サービス選びはほぼ決まります。

複数カットで話を進めるショートドラマを想定している方は、脚本・音声・字幕・縦型書き出しまで含めた工程の並びを AIショートドラマの作り方 にまとめてあります。参照機能の選定は、その工程2にあたります。

料金への効き方——上位プラン限定か、クレジットは余計にかかるか

参照機能は「使えるかどうか」だけでなく「いくらかかるか」でも差が出ます。2026年8月20日時点で公式ページから確認できた範囲は次のとおりです。

  • PixVerse:Fusion(Reference to video)は公式料金表で通常生成と別建ての行として掲載されています(前掲のクレジット表)。つまり参照を使う生成は独自の単価で計算されます。
  • Veo:参照画像を使うと尺が8秒に固定されるため、短い尺で試すという逃げ道がなくなります。実質的に1回あたりのコストが上振れしやすい設計です。
  • KLING:Elements と Element Library の公式ガイドには、機能そのものの説明はあるものの、どの有料プランから使えるかという条件の記載は確認できませんでした。プランごとの可否は公式の料金ページで直接ご確認ください。
  • MiniMaxsubject_reference はAPI仕様上のパラメータで、S2V-01 モデルの課金に従います。

クレジット制そのものの読み方(1本あたりの実質単価をどう出すか)は動画生成AIの料金相場に、API単位の秒あたり単価は動画生成AI API 料金比較にまとめています。参照機能の有無だけで選ぶと単価で損をすることがあるので、両方を見比べてください。

公式スペックで分かること、分からないこと

ここまでが公式ページから確認できる範囲です。逆に、公式スペックからは分からないことをはっきり書いておきます。

  • どこまで似るか:再現度は公式ページに数値の記載がありません。本記事では判定しません。
  • カット間の破綻の頻度:同様に公式には記載がありません。
  • 参照素材の善し悪しによる差:KLING の公式ガイドは複数アングルの素材をライブラリ登録する運用を推奨し、Veo も同一被写体の素材画像を最大3枚渡す設計です。入力素材を複数角度で用意するほうが安定するという方向性は各社の公式表記から読み取れますが、効果量は公式に示されていません。

素材を用意する段階については画像から動画を作れる無料ツール、サービス全体の位置づけは動画生成AIおすすめ比較が出発点になります。ByteDance の Seedance 系など表に載せていないモデルにも参照系の入力を持つものがあり、Seedance 2.5 の日本での料金で扱っています。英語圏では Seedance 専門の解説サイト https://seedancetips.com もあります。

よくある質問

Q1. 参照画像に他人の顔を使ってもよいですか

各社とも利用規約で本人の同意なく実在人物の肖像を使うことを制限しています。条項の位置と表現はサービスごとに異なり、本記事は各社の規約条項を逐条確認したものではないため、条文の引用は行いません。使う予定のサービスの規約本文を直接ご確認ください。

Q2. 無料枠でも参照機能は使えますか

2026年8月20日時点で確認した公式ページには、参照機能が無料枠で使えるかどうかを明示した記載を見つけられませんでした。PixVerse のみ、Fusion(Reference to video)が独立した消費クレジット表を持つことが公式ドキュメントから分かります。無料枠の可否は各社の料金ページの最新表示でご確認ください。

Q3. 画像生成側の LoRA やキャラクター参照と併用する必要はありますか

必須ではありません。本記事で挙げた参照機能は、いずれも動画生成AI側が単独で受け付ける入力です。ただし参照用の素材画像そのものを作る段階で画像生成を使うことはあり、その場合は画像生成側の手法が役に立ちます。役割が違うだけで、どちらかを選ぶ関係ではありません。

Q4. 参照画像を使うと尺や解像度に制限が出ますか

サービスによります。公式に明記があるのは Veo で、参照画像を使う場合は尺が8秒固定になり、動画の延長も使えません(Gemini API 公式ドキュメント、2026年8月20日確認)。他社については、参照機能に固有の尺・解像度制限を示す記載を公式ページ上で確認できませんでした。

Q5. 表の空欄はいつ埋まりますか

公式ページに記載が追加され次第、実査して更新します。現時点の空欄は「公式に記載がない」ことを示しており、第三者の解説記事の数値で埋めることはしません。出所が公式でなければ、この表の意味がなくなるためです。