本記事にはプロモーションを含む場合があります。価格・仕様は 2026年8月27日時点 に各社の公式ドキュメントで確認した内容です。改定されることがあるため、判断の前に必ず公式の最新表示をご確認ください。ドル円は全記事共通で 1ドル=161円 で換算しています。
「動画生成AIに何度打ち込んでも、思った映像が出てこない」——原因の多くは、プロンプトの日本語が下手なことではなく、モデルが読み取る「項目」を埋めていないことにあります。
先に結論をお伝えします。Google・PixVerse・Luma の公式プロンプトガイドを突き合わせると、指示はほぼ6要素に収束します。「被写体・動作・場所と時間・カメラ・光と質感・スタイル」の6つです。この6つを1文ずつ並べるだけで、出力の安定度は変わります。そして日本語で書く場合、公式に「英語を推奨」と明記しているサービスと「他言語も受け付ける」と明記しているサービスが混在しており、ここを知らずに日本語で粘るとムダな試行回数を払うことになります。
※ 実測後に更新します(2026年8月27日時点で未検証)。本記事は各社の公式プロンプトガイド原文の突き合わせでまとめており、「このプロンプトで実際にこう出力された」という生成結果の検証は含んでいません。
各社公式ガイドに共通する「型」——6要素の対応表
各社が公式に何を書けと言っているかを並べます。Google の公式プロンプトガイドがもっとも項目数が多く、他社のガイドはその部分集合という関係でした(2026年8月27日確認)。
| 要素 | 何を書くか | 公式ガイドでの扱い |
|---|---|---|
| 被写体 | 誰・何が映るか。年齢、職業、素材、色 | Google が最初に置く項目。具体的に書くほどありきたりな出力を避けられると説明 |
| 動作 | 何をしているか。表情や微細な動きも | 基本動作・相互作用・感情表現・微細動作・変化の5系統を例示 |
| 場所と時間 | どこで、いつ。屋内外、時刻、天候、時代 | Google は「the ‘where’ and the ‘when’」と定義 |
| カメラ | アングルと動き。寄り引き、パン、俯瞰など | アングル13種・動き12種を列挙。Luma も言葉で制御すると明記 |
| 光と質感 | 光源、時間帯の光、レンズ効果、被写界深度 | Google はレンズ光学効果を独立項目に立てる。PixVerse も lighting を必須要素に挙げる |
| スタイル | 実写風・アニメ風・年代感と全体のトーン | Google が「もっとも効果の大きい要素のひとつ」と位置づける項目 |
重要な但し書きが公式にあります。Google は 「You don’t need to use all elements in every prompt」(すべてのプロンプトで全要素を使う必要はない) と明記しています(Google 公式プロンプトガイド)。6要素は「埋めるべきチェックリスト」であって、全部書かないと動かない必須項目ではありません。
モデルごとの得意分野は 動画生成AIの比較・ランキング にまとめています。どのモデル向けに書くかを先に決めると迷いません。
公式が示す「長さ」——25〜200語という具体値
「どのくらい詳しく書けばいいのか」に数字で答えている公式ドキュメントがあります。PixVerse の公式 API ドキュメントは、Text-to-Video のプロンプトについて「Keep prompts between 25-200 words for optimal results」(最良の結果を得るには25〜200語に収める)と明記しています(PixVerse 公式ドキュメント、2026年8月27日確認)。同ページは良い例と良くない例も挙げています。
- 良い例:「A serene mountain lake at sunrise, with mist rising from the water. The camera slowly pans across the lake, capturing the golden sunlight reflecting on the surface. Birds fly overhead as the morning unfolds.」
- 良くない例:「Mountain lake sunrise」
この対比が示すのは、単語の羅列ではなく「文」で書けということです。良い例には場所・時間・大気・カメラ・光がすべて入っており、先ほどの6要素がそのまま埋まっています。日本語では英単語基準をそのまま当てはめられませんが、2〜4文・100〜300文字程度が目安です。1文だけだと「Mountain lake sunrise」側に落ちます。
カメラ用語は「決まった言い方」を借りる
6要素のうちもっとも取りこぼしやすいのがカメラです。ここは自由作文より、公式ガイドの定型句をそのまま借りるのが早道です。Google の公式ガイドから使いやすいものを抜き出します。
| 狙い | 英語の定型句 | 日本語で書くなら |
|---|---|---|
| 被写体を強く見せる | low-angle shot | ローアングルで見上げる |
| 全体像を見せる | wide shot | 引きの全景から |
| 表情を見せる | close-up | 顔のクローズアップ |
| ゆっくり近づく | slow zoom in / dolly in | ゆっくり寄る |
| 横に流す | pan left / truck right | 左へパンする |
| 上空から | aerial drone shot | 空撮で見下ろす |
| 周りを回る | arc shot | 被写体の周囲を回り込む |
Luma の公式ドキュメントはカメラ制御について 「Camera is controlled by language in Dream Machine」(カメラはプロンプトの言葉で制御する) としたうえで、API から取得できる対応カメラモーション文字列(例:camera orbit left)を使うよう案内し、「syntactically similar phrases also work, though there can be mismatches sometimes」(似た言い回しでも動くが、ときどき食い違いが起きる) とも書いています(Luma 公式ドキュメント、2026年8月27日確認)。
つまりカメラ指示は「似た言い方でも通るが、公式の定型句がいちばん確実」というのが公式自身の説明です。用語の意味は 動画生成AI用語辞典 にまとめています。
ネガティブプロンプトは「否定語」で書かない
日本語話者がもっとも間違えやすいのがここです。公式が「その書き方はやめろ」と明示しています。Google の公式プロンプトガイドはネガティブプロンプトについて次の2点を挙げています(2026年8月27日確認)。
- 推奨されない書き方:「no」「don’t」といった指示的・否定的な語を使うこと。例として「no walls」「don’t show walls」のような書き方を避けるよう明記
- 推奨される書き方:出したくないものを名詞で描写すること。例として「wall, frame」という書き方が示されている
日本語なら、ネガティブ欄には「壁を映さないで」ではなく「壁、額縁」と名詞だけを並べるのが公式準拠です。丁寧にお願いするほど効きが悪くなる、という直感に反する項目なので覚えておく価値があります。なお、ネガティブ欄の有無はサービスによって異なります。
音声・セリフは「別の文」に分けて書く
音声を同時生成するモデルでは、音の指示を映像の指示に混ぜないほうが安定します。Google の公式ガイドは 「Clearly specify if you want audio. We recommend that you use separate sentences in your prompt to describe the audio.」(音声が必要なら明示すること。音声の描写には別の文を使うことを推奨する) と書いています(2026年8月27日確認)。同ガイドが挙げる音声要素は、効果音・環境音・セリフ(話者を指定して「the man in the red hat says: …」の形)の3種類です。Veo の使い方と料金は Veo 3 の日本向け記事 にまとめています。
日本語で書くときの実際——公式記載はバラバラです
「日本語プロンプトで書いていいのか」への答えは、サービスごとに公式の記載がまったく違います。各社の公式ヘルプを一件ずつ確認した結果は 動画生成AIの日本語対応まとめ(2026年7月25日確認)に一覧化しています。プロンプトの書き方に直結する部分は次のとおりです。
| サービス | プロンプト言語についての公式記載 |
|---|---|
| Veo(Gemini API) | 制限事項に「English (EN) is fully supported, but other languages have not been evaluated, so they may work but results can vary.」=英語は完全対応、他言語は未評価で結果が変わりうる(公式ドキュメント) |
| Google Flow | “Supported languages” 節が明記しているのは、最良の結果には英語のプロンプトを推奨する旨まで(公式ヘルプ) |
| Runway | 英語以外の言語のプロンプトも受け付ける旨を公式ヘルプに記載。ただしすべてのプロンプトが同等に機能するわけではないとも明記(公式ヘルプ) |
| Kling AI | VIDEO 3.0 の公式ガイドが明記するのはセリフ音声の出力言語として日本語を含む5言語。映像プロンプトの言語についての記載ではない(公式ガイド) |
| PixVerse / Hailuo / Pollo AI / DomoAI | プロンプト言語についての公式記載を確認できず |
実務上の結論は3つです。
- 日本語サイトがある=日本語プロンプト保証、ではありません。日本語サイトを手厚く用意しているサービスほど、プロンプト言語について何も書いていない傾向すらあります
- 「公式記載なし」は「使ってはいけない」ではありません。保証も否定もしていない、という意味です
- 英語推奨と明記しているサービスで日本語が出ないとき、それは仕様の範囲内です。粘るより訳したほうが早い、と判断できます
日本語プロンプトを書くときの5つのコツ
1. 主語を省略しない。日本語は主語を落とす言語ですが、モデルに渡す文では落とせません。「ゆっくり振り返る」ではなく「赤いコートの女性がゆっくり振り返る」と書き、6要素の「被写体」が空になるのを防ぎます。
2. 1文1要素で切る。「夕暮れの海辺で少年が走っていてカメラが引いていって空が赤い」と詰め込むより、「夕暮れの海辺。少年が波打ち際を走る。カメラは引きの全景。空はオレンジから紫へ」と短文を並べます。Google が音声について「別の文を使う」と推奨するのと同じ考え方です。
3. 固有名詞に頼らない。「〇〇監督風」「△△みたいに」はモデル側の制限に触れて弾かれることがあるうえ、6要素のどれも埋めません。「暖色の逆光」「粒子の粗いフィルム調」のように見た目の特徴を分解して書くほうが確実です。
4. カメラ用語だけは英語を混ぜてよい。日本語文の中に low-angle、close-up、slow zoom in を混在させても問題ありません。Luma のように公式が特定の文字列を案内している場合は、その文字列をそのまま使うほうが通ります。
5. 出ないときは訳して比べる。同じ内容の日本語版と英語版を1回ずつ投げ、英語版だけ出るなら言語側の問題だと切り分けられます。Veo のように「他言語は未評価」と公式が書いているモデルでは、これが最短の切り分け方法です。
複数カットで見た目を揃えたい場合はプロンプトだけで粘るより参照画像が確実です。方法は キャラクターを固定する方法 にまとめています。
アニメ風を狙うときの書き方
「アニメ風」の指定でプロンプト側にできることは、6要素の「スタイル」欄の書き方に集約されます。Google の公式ガイドは、アニメーション系スタイル指定の例として 「Japanese anime style」という語をそのまま列挙しています。同ガイドの例文は「A dynamic scene in a vibrant Japanese anime style.」で始まり、そのあとに「sharp lines(シャープな線)」「bright, saturated colors(明るく彩度の高い色)」といった画の特徴を分解した語が続きます(2026年8月27日確認)。
つまりスタイル指定は作品名ではなく「線・色・陰影の特徴」で書くと公式ガイドの想定に近づきます。加えてアニメ風は各サービスの得意不得意の差が大きく、モデル選びを見直すほうが効く場合があります。向き不向きは 動画生成AIの選び方 を参照してください。
思いどおりにならないときのチェックリスト
- 6要素のうち空欄はどれか。空いている欄を1つ埋めて再生成します
- 1文しか書いていないのではないか。PixVerse の良くない例と同じ形になっていないか確認します
- カメラ指示があるか。カメラの語が1つも入っていないと構図はモデル任せになります
- ネガティブ欄に否定語を書いていないか。名詞に書き直します
- 言語の問題ではないか。英語に訳して1回投げ、差が出るか確認します
- モデルが向いていないのではないか。実写志向とアニメ志向の差はプロンプトでは埋まりません
よくある質問
Q1. プロンプトは長いほど良いのですか?
いいえ。PixVerse の公式ドキュメントは25〜200語という上限つきの範囲を示しています(2026年8月27日確認)。長さそのものより、6要素が埋まっているかどうかが効きます。
Q2. 日本語で書いても大丈夫ですか?
サービスによります。Runway は英語以外の言語のプロンプトも受け付ける旨を公式ヘルプに記載しています。一方 Veo(Gemini API)は「英語は完全対応、他言語は未評価」と公式に明記しています。詳細は本文の表と 日本語対応まとめ をご覧ください。
Q3. ネガティブプロンプトに「〜を出さないで」と書くのはなぜ良くないのですか?
Google の公式プロンプトガイドが、「no」「don’t」のような指示的な否定語の使用を推奨しない書き方として明示しているためです。代わりに、出したくないものを名詞で描写する形(例:「wall, frame」)が推奨されています。
Q4. カメラの指示は日本語と英語のどちらで書くべきですか?
日本語文の中にカメラ用語だけ英語を混ぜる書き方で問題ありません。Luma の公式ドキュメントは対応カメラモーション文字列(例:camera orbit left)の使用を案内しつつ、似た言い回しでも動くが食い違いが起きることがあると明記しています。
Q5. 同じプロンプトなのに毎回違う動画が出るのはなぜですか?
生成はシード値などの内部パラメータに左右され、同一プロンプトでも出力は一定ではありません。用語の説明は 動画生成AI用語辞典 にまとめています。プロンプトを固定したまま複数回生成して選ぶ運用が前提になります。
Q6. どのサービスがいちばんプロンプトを正確に理解しますか?
本記事は各社の公式ガイド原文の突き合わせであり、生成結果の比較検証は含んでいないため順位づけはできません。公式ドキュメントの充実度でいえば、要素の分類と例文の量は Google がもっとも多く、他社ガイドはその部分集合という関係でした(2026年8月27日確認)。
まとめ
- 公式ガイドが指示する要素は6つに収束します。被写体・動作・場所と時間・カメラ・光と質感・スタイル。Google は「すべてのプロンプトで全要素を使う必要はない」とも明記しています
- 長さの公式値が存在します。PixVerse は25〜200語に収めるよう明記(2026年8月27日確認)
- ネガティブプロンプトは名詞で書きます。Google は否定語の使用を推奨しない書き方として明示しています
- カメラは公式の定型句を借りるのが確実です。Luma は似た言い回しでも食い違いが起きうると認めています
- 日本語で書けるかどうかは公式記載がサービスごとに異なります。Runway は他言語受理を明記、Veo は「他言語は未評価」と明記
プロンプトを磨く前にモデル選びを見直すほうが効く場面も多くあります。用途別の比較は 動画生成AIの比較・ランキング を参照してください。