本記事にはプロモーションを含む場合があります。各社の規約・ポリシーの内容は 2026年8月27日時点 で公式ページを直接取得して確認したものです。規約とポリシーは予告なく改定されます。利用の前に必ず各社公式ページの最新表示をご自身で確認してください。

「プロンプトを入れたのに動画が出てこない」「content policy violation とだけ表示されて止まる」——動画生成AIを使っていると、理由が分からないまま生成できない場面に当たります。

この記事は、各社の公式ポリシー原文に「何を禁じると書いてあるか」だけを並べた対照表です。8サービスのポリシー本文を2026年8月27日に直接取得して禁止類型ごとに整理し、弾かれたときに原因を切り分けて規約の範囲内で書き直す手順までまとめます。

※ 実測後に更新します(2026年8月27日時点で未検証)。本記事は各社の公開ポリシーテキストの読解のみで構成しており、当サイトが実際にプロンプトを投げて弾かれるかを確かめた検証は含みません。したがって「この書き方なら必ず通る」という書き方はしていません。

※ 本記事は法的なアドバイスではありません。扱うのは「各社のポリシーに何と書いてあるか」だけです。

先に結論——「生成できない」には規約とモデレーションの2層がある

動画生成AIで生成が止まる理由は、2つの層に分かれます。

1つ目が利用規約やコンテンツポリシーが明文で禁じている類型、つまりルールの層。2つ目が自動モデレーション(自動判定)の層で、ルール違反かを人が判断する前に機械がリクエストを止めます。Hailuo AI は利用規約本文に「We automatically block some content on the Services.」と自動ブロックの存在を書き、Vidu は判定カテゴリと API の返り値まで公開しています。

この2層は範囲が一致しません。 規約に当たらなくても自動判定で止まることはあり、逆に自動判定を通っても規約違反ならアカウント側の措置が来ます。

確認できた8サービスすべてが禁じていたのは「違法行為」「他人の権利(知的財産・肖像・プライバシー)の侵害」「なりすましと出所の偽装」「未成年に関わる性的搾取」の4つでした。成人向けは大半の社が挙げますが、PixVerse は非同意の性的コンテンツと児童性的虐待関連しか明記していません。

はっきり割れたのは暴力・流血の扱い、政治・選挙用途、著名人やブランドの扱いの3点。ここが「あるサービスでは通ったのに別では弾かれる」の正体になりやすい部分です。

【比較表】8サービスの禁止類型と根拠ドキュメント(2026年8月27日取得)

「明記」は条文がその類型を名指ししているもの、「限定的」は一部だけのもの、「一般条項」は違法・権利侵害・objectionable といった包括的な語でカバーしているもの、「記載なし」は右欄の文書本文に該当記述が見つからなかったものです。「記載なし」は「禁止していない」ではありません。 各類型の書かれ方の違いは次章以降で扱います。

サービス未成年成人向け暴力・流血政治・選挙著名人・ブランド読んだ文書
PixVerse明記限定的明記明記明記利用規約 4.3・5
Runway記載なし一般条項明記(4.2)記載なし一般条項利用規約 4.2・5
Luma明記明記明記明記明記(欺瞞の一例)利用規約
Google(Veo・Flow)明記明記明記明記一般条項生成 AI の使用禁止ポリシー
Hailuo AI明記明記明記明記一般条項利用規約 Content Standards
Vidu明記明記明記記載なし明記(著名人)Content ModerationTerms of Use
HeyGen一般条項明記一般条項明記明記利用規約 第2条
Synthesia明記明記一般条項明記(条件付き)一般条項Acceptable Use Policy

文書の最終更新表示は Hailuo AI の2026年8月19日が最も新しく、Synthesia の2024年2月23日が最も古いものでした。「なりすましと出所の偽装」は8社すべてが明記していたため列を分けていません。Vidu だけは規約と別文書に分かれており、Terms of Use 側の禁止リストは行為が中心、内容の類型は Content Moderation ドキュメント側にあります。

全社が共通して禁じている4つ

ここに当たっているなら、サービスを変えても通りません。

違法行為と法令違反はすべての社が冒頭に置きます。Luma は「規制対象の物質・商品・サービスの流通」「大量破壊兵器・サイバー兵器の開発」まで列挙します。

他人の権利の侵害も共通です。Runway は 5(i) で特許・商標・営業秘密・著作権・パブリシティ権を並べ、Hailuo AI は「rights of publicity and privacy」を明示します。

なりすましと出所の偽装は書き方が少し違います。Luma は「Output が人間によって作られたと偽ること」を独立項目にし、Vidu も同趣旨を置きます。Google は「人々を欺くことを目的に」という限定を付けたうえで、生死を問わないなりすましを禁じています。

未成年に関わる性的搾取は最も厳しく書かれている類型です。PixVerse は実写だけでなく加工メディア・アニメーション・あらゆるデジタル創作物を対象に含めると明記し、Synthesia は「アバターで未成年を表現・描写すること」自体を例示に挙げています。

分かれ目1:暴力と流血——独立カテゴリにしている社がある

同じ暴力表現でも、条文の粒度がまるで違います。

Vidu の Moderated Content Categories は「Violence」と「Gore, blood, or other viscera」を別々の項目に分けています。 流血描写が独立カテゴリになっている例は、確認した8サービスで Vidu だけでした。PixVerse は「gore, excessive violence or animal harm を描いた実写メディアの共有」を禁じます。

対照的に Runway は禁止行為の 5(ii) が「threatening, abusive, harassing」という一般語にとどまり、暴力を名指しするのは投稿コンテンツの制限(第4.2条)のほうです。 Synthesia は角度が違い、「死亡または重傷、その他の壊滅的な損害を招きうる利用」と結果側から書いています。

分かれ目2:政治・選挙——用途ごと禁じている社が4つ

ここが最もはっきり割れます。 用途そのものを禁じているのが PixVerse・Hailuo AI・HeyGen・Synthesia の4社です。

Hailuo AI の Content Standards は「Be intended for use in political campaigns or for influencing the outcome of an election.」と、政治キャンペーン利用と選挙結果への影響を目的とする内容を明確に禁じています。 PixVerse も同趣旨です。HeyGen は「political campaigning or lobbying purposes」と、ロビイング活動まで含めて禁じています——ロビイングまで書いていたのは HeyGen だけでした。Synthesia は条件付きで、ストックアバターを政治キャンペーンや時事解説に使うには書面同意が必要としています。

Google と Luma は目的要件で書きます。Google は「人々を欺くことを目的に、政治的なプロセスや民主的なプロセス……に関して誤解を招く主張を助長する」を禁じ、Luma は「political manipulation」を欺瞞目的の利用の一例に置きます。

つまり政治テーマで弾かれた場合、言い回しを直しても解決しない社があります。用途そのものが対象だからです。

分かれ目3:著名人・ブランド、そして「存命のアーティスト」

PixVerse の利用規約 4.3 には「Public figures or third-party IP」という小見出しがあり、実在の人物・有名人・ブランド・キャラクターなどが含まれる場合、外部に共有する前に必要な許諾を得ておくことを求めています。

自動判定の側でこれを明示しているのが Vidu です。Vidu の判定カテゴリには「Public figures」と並んで「Living artists」——存命のアーティスト——が入っています。 作風を指定するつもりでアーティスト名をプロンプトに入れると判定対象になりうる、と読める書き方で、この項目を挙げていたのは確認した範囲で Vidu だけでした。

Runway と Hailuo AI は名指しせず、商標・著作権・パブリシティ権の一般条項で処理します。実在の人物という論点だけを条文単位で比べたい場合は AI動画に実在の人物・有名人を出していい? へ。

弾かれたときの手順——4ステップで切り分けて書き直す

エラーが出たときにまずやることは、書き直しではなく切り分けです。

ステップ1:入力・出力のどこで止まったかを見る

Vidu は「モデレーションはリクエストのすべての要素を評価する」と明記しており、参照画像・テキストプロンプト・生成後の動画のいずれでも判定が起きます。 API では statusFAILED になり、CreationPolicyViolation フィールドに詳細が入ると書かれています。参照画像を外してテキストのみで試す、逆にプロンプトを短くして画像だけ変える、という順でどちらの入力が原因かを分けるのが最短です。

なお、ファイル形式・サイズ・アスペクト比が条件を外れているだけという可能性もあります。ポリシーではなく入力条件の問題なので、入力画像・素材の条件 を先に外してから疑うほうが早いです。

ステップ2:使っているサービスのポリシー本文で該当類型を探す

比較表で当たりを付けたら、必ず原文に戻って確認します。同じ「暴力」でも、Vidu のように流血が独立項目の社と Runway のように別条で名指しする社では当たり方が変わるためです。

ステップ3:規約の範囲内でプロンプトを書き直す

その類型に触れない内容へ書き直します。公式ポリシーの記述から導ける直し方は次のとおりです。

  • 固有名詞を一般名詞に置き換える。人物名・キャラクター名・作品名を、役割や属性の説明(「制服姿の高校生」など)に変える。
  • 著名人名とアーティスト名を外す。Vidu が「Public figures」「Living artists」を判定対象に挙げているとおり、人名は作風の指定であっても対象になりえます。
  • ブランド名とロゴを避ける。全社が商標を含む知的財産の侵害を禁じています。
  • 暴力表現を抽象化する。流血や負傷の直接描写ではなく、状況や結果の描写に置き換える。
  • 医療・金融・法律の断定を避ける。Google は「センシティブな分野(健康、金融、行政サービス、法律など)における専門知識や能力に関して誤解を招く主張」を名指しで禁じています。
  • 入力画像の権利を確認する。人物が写った写真には、Luma のように特別なライセンス規定を置く社があります。学習利用まで含めた条項の違いは 8社の学習利用条項の読み比べ へ。

ステップ4:それでも通らないときの扱い

書き直しても通らない場合、その社では扱えない内容だと判断するのが正しい進め方です。 理由は2つとも公式ポリシー本文にあります。1つ目は、Google の「生成 AI の使用禁止に関するポリシー」が「不正使用対策や保護フィルタを回避する(たとえば、ポリシーに違反するようにモデルを操作する)」ことを独立した禁止類型として挙げていること。2つ目は、Vidu が「フラグされた入力の再送信を繰り返すこと」をアカウント停止の理由に明記していることです。同じ内容を表現だけ変えて通そうとする行為は、元の類型とは別の違反として扱われうる構造です。

「規約に書いていないのに弾かれる」ときに考えられること

比較表の「記載なし」は禁止していないという意味ではありません。今回読んだのは各社の利用規約と公開ポリシー本文だけで、別文書のコミュニティガイドライン(Vidu のように内容の類型が別ドキュメント側にある例が実際にあります)、ログイン後にだけ表示される規約集約型プラットフォーム経由で呼ぶ他社モデルの提供元ポリシーは範囲外です。

また Google のポリシーには、教育・記録・科学・芸術の観点に基づく考慮が必要な場合、または社会にもたらされる実質的な利益が有害性を上回る場合は例外を設けることがある、という一文があります。Synthesia も、明確にラベル付けされた社内研修・教育用途は制限の対象としないと断っています。

公式ポリシーの本文を確認できなかった3サービス

推測で「禁止している/していない」とは書きません。 試したURLと結果だけを記載します。

サービス試したURL結果(2026年8月27日)
KLING AIkling.ai/docs/user-policy当サイトの取得環境から本文を取得できませんでした
Pikapika.art/terms-of-serviceページは応答しますが規約本文が配信されず読めませんでした
OpenAI(Sora)openai.com/policies/usage-policies/HTTP 403 が返り、本文を取得できませんでした

なお OpenAI の Sora は消費者向けの提供が2026年4月26日に終了しています。「確認できなかった」は「制限がない」ではありません。 KLING AI は KLING AI の安全性 でも扱っています。

この記事が扱っていないこと

軸の違う話が4つあります。

料金・機能そのものの比較は 動画生成AIおすすめ比較 をご覧ください。

よくある質問

Q1. エラーに理由が書かれていません。どうやって原因を特定しますか?

入力を分けて試すのが最短です。 参照画像を外してテキストだけ、次にプロンプトを最小限にして画像だけ、の順で切り分けます。Vidu は画像・テキスト・生成後の動画のいずれでも判定が起きると明記しています。

Q2. 同じ内容が別のサービスでは通りました。どちらかが間違っているのですか?

どちらも間違っていません。 暴力・政治・著名人の3類型は社ごとに条文の粒度が違い、その差がそのまま結果の差になります。通ったほうが「安全」という意味でもありません。

Q3. 生成が拒否されたとき、消費したクレジットは戻りますか?

Vidu は Content Moderation ドキュメントで、モデレートされた生成のクレジットは返却すると明記しています。 他の7サービスは、今回読んだ本文に同趣旨の記述を確認できませんでした。返却の有無は課金ポリシー側にある場合があります。

Q4. 公式ポリシーに書いていなければ、作ってよいということですか?

そうとは限りません。 今回読んだのは各社の利用規約と公開ポリシー本文だけで、別文書のガイドラインやログイン後にのみ表示される規約が別にかかります。規約に違反していなくても、法律上の責任は別に生じえます。

Q5. 個人で楽しむだけなら禁止類型の対象外ですか?

対象外と読める条文は、確認した8サービスの本文には見当たりませんでした。 禁止類型は基本的にサービスの利用そのものにかかります。逆に用途で範囲を変えている条項もあり、PixVerse は許諾取得の義務を「外部への共有前」に置いています。

まとめ

動画生成AIで生成できないときは、規約の禁止類型に当たっているのか、自動モデレーションの判定に当たっているのかを分けて考えるのが出発点です。

共通項は違法行為・他人の権利の侵害・なりすましと出所の偽装・未成年に関わる性的搾取の4つ。割れるのは暴力と流血の粒度、政治・選挙用途、著名人やブランドの扱いの3点で、Vidu の「Living artists」や HeyGen の「lobbying」のように、その社にしかない項目があります。

弾かれたら、入力の切り分け、原文での類型特定、規約の範囲内での書き直し、の順で進めてください。ポリシーは改定されるので、判断の前に必ず各社の最新表示を確認してください。